全国一斉 体力テスト2012/05/30

文部科学省は「新体力テスト実施要項」なるものを出版・公開している。
 要項は、「『新体力テスト』の趣旨が正しく理解され、広く実施・活用されるよう、その背景やねらい、特徴などについて、わかりやすさを心がけて解説したもの」で、「 『新体力テスト』が有意義に活用され、ひいては21世紀の社会を生きる人々が心身ともに健康で活力ある社会を営んでいくことを期待」し出版・公開されているという。
 http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/stamina/03040901.htm より

 しかしながら、現場ではこの有効利用がななか一筋縄ではいかないようである。
 H市では、各学校に体力テスト担当責任者(数値を上げるための責任者?)を決めている。教育委員会の担当者が、なりふり構わず数値をあげるために、低学年の、ソフトボール投げは、下手なげの方が記録が伸びる!と、下手投げを奨励したという。現場の担当者から、実施要項に反しないのかとの声も出たというが、禁止はしていないと、突っぱねたという。
 要項には、以下のように記されている。

4 実施上の注意
( 1 ) 投球のフォームは自由であるが, できるだけ「下手投げ」をしない方がよい。また, ステップして投げたほうがよい。
 http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/stamina/05030101/001.pdf より

 教育員会の責任者が、実施上の注意を無視し、数値を上げることを優先するという実態は、果たして有意義に活用されているといえるのであろうか。。。

 同じようなことは、学力テストでもいえるようだ。近隣の小学校では過去5年間に実施された問題(いわゆる過去問)を、授業時間を削って或いは宿題として徹底的に実施しているという。

 僕は、行政のための基礎資料としてテストを実施することを決して否定するつもりはない(一斉ではなく抽出で十分だとは思うが)。しかしながら、行政の課題と教育実践の課題は、イコールではないはずだ。テストそのものの数値(平均値)向上は、子どもの最善の利益とイコールではない。

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